よくあるご質問(相続)

相続の開始後よくある質問をまとめてみました、ご参考ください
なお、実際の相続手続きは各御家族様の状況によって異なりますので、お気軽にご相談ください。

父がなくなりました。最初にどんな手続きが必要ですか?

早々に手続きが必要なことは、役所への死亡届の提出です。
死亡の届出は、死亡した人の死亡地・所在地(住民票の登録している住所地)・本籍地、届出人の所在地のいずれかの役所になります。

死亡した場合、医師から死亡診断書(死体検案書)が渡されます。用紙の左側は死亡届、右側が死亡診断書になっているので、必要事項を記入し役所へ提出します。

提出期限は死亡から7日以内ですが、死亡届の提出と引き換えに火葬許可証がもらえるます。火葬許可証の発行により火葬できることになり、火葬後埋葬許可証の発行によりお墓に埋葬できます。
実際には、葬儀社に頼んで代行してもらう場合も多いようです。

死亡診断書は保険金の請求などに必要になりますので、コピーを取っておきましょう。

父が亡くなり遺言書が見つかりました。そのまま中身を確認してもいいのでしょうか?

遺言書の形式によって異なります。
  • 封印のある自筆遺言証書の場合…家庭裁判所にて開封+遺言書の検認が必要です。
  • 封印のない自筆遺言証書の場合…すぐに開封してもかまいませんが、家庭裁判所にて遺言書の検認が必要です。 遺言書の検認は、必要な書類(戸籍謄本など)を用意し家庭裁判所に申立てます。
    後日、家庭裁判所にて係官の立会にて手続きをします。検認が終わると【検認済み証明書】が発行されます。

    ※相続財産(遺産)の名義変更をする際に【検認済み証明書】が必要となります。

    法務局にて保管している場合、自筆遺言証書の原本は法務局にされており、お手元には【保管証】がございます。また、被相続人が誰にも言わずに作成していた場合、一定期間後に法務局より被相続人が指定した相手に案内が届きます。

  • 公正証書遺言の場合…すぐに開封し内容の確認が出来ます。また家庭裁判所の検認も必要ありません。

父が亡くなり、遺言書が出てきました。
遺言書の内容とは違う遺産分割をすることはできますか?

原則として遺言書がある場合は遺言の指定にもとづいた分割をします。
ただし、相続人全員の賛成があれば、遺言書の内容とは異なる遺産分割協議によって遺産を分けても問題ありません。

相続財産(遺産)のある銀行を特定する方法はありますか?

預金は各銀行等の管理となっておりますので、一括して調べることはできません。
亡くなった方の預金通帳を探したり、取引していると思われる銀行等に【名寄せ】を請求します。
相続人であれば請求できますので、確認したい銀行等に必要書類をご確認の上お手続きください。
また、貸金庫がある場合も同様、手続きをすると確認できます。

裁判所で相続放棄の手続きをすると、すべての財産をもらえなくなるのでしょうか?
遺産はもらえなくてもいいのですが、遺族年金はもらいたいと思っています。

相続放棄】しても受け取れる財産もあります。
例えば、遺族年金や退職金ですが、相続財産であるか否かによって異なります。
退職金は本来死亡した本人の財産ですが、会社の規則等によって死亡者の退職金(遺産)扱いではなく、遺族に対する直接の弔慰金として払われる場合があります。
弔慰金の場合は、遺族の固有の財産となり、相続放棄していても受け取れます。

遺族年金も公的なもの私的なものがありますが、遺族年金を受ける権利は、法律の規定に基づき、亡くなった方と一定の関係があった遺族に与えられます。

受給権者となった遺族は収入要件や生計同一要件等を満たし、 遺族年金の受給権が発生するのであれば、自己の固有の財産として遺族年金を受給することができます。
また、未支給の年金給付も生計を同じくしていた遺族に支給されますので申請を忘れないようにしましょう。※法律の規定による

生命保険金なども、相続財産(遺産)なのか遺族固有の財産なのか調査し適切な手続きが必要です。

祖父が亡くなり、父が裁判所にて相続放棄しました。
父の実子(祖父の孫)である私は代襲相続できますか?

代襲相続】はできません。
家庭裁判所にて相続の放棄をした場合、相続人ではなくなった事になるからです。

相続放棄ではなく、相続開始前に既にお父様が死亡されていたり、何かの事由でお父様が相続欠格者となっている場合は代襲相続人となります。

相続人同士で遺産分割協議をしましたが、それぞれの希望や思いがあり、まとまりません。
時間ばかりが過ぎてしまいますが、この場合どのようにしたらいいのでしょうか?

最終的には家庭裁判所にて調停又は審判で解決することができます。
家庭裁判所に申立て、まずは調停となります。
調停は、当事者間の間に入って話し合いをサポートしてくれます。当事者の折り合いがつき結論がでれば終了です。
調停で合意できる結果が出なかったときは【調停不調】となりその後は審判となります。

審判とは、裁判官が当事者の言い分を聞いて最終的な結論を出すことです。
審判は裁判の判決と同じで、当事者は審判結果に従わなければなりません。

家庭裁判所は事前相談もできますし、申立には必要な書類のありますので、直接問い合わせすることをおすすめします。

遺言書に書いてあれば赤の他人でも遺産を受け取れるのですか?

その人が遺族とは無関係な赤の他人であっても遺産を受け取ることができます。相続人以外の遺産の受取人は【受遺者】と呼ばれます。
なお、相続人には【遺留分】という権利がございますので、相続人から一部遺産を請求される場合はございます。

遺留分という権利はどのようなものですか?

遺留分とは、「兄弟姉妹以外の相続人」に最低限保障された相続財産の割合をいいます。
例えば亡くなった方(被相続人)が、遺言によって相続財産をすべて第三者に譲渡(遺贈)したとします。この場合でも、遺留分を有する相続人(配偶者・子・子がいない場合は直系尊属)は、保障された割合については自己の権利を主張できます。

夫の籍に入っていない事実婚の妻の相続はどうなりますか?

事実婚では妻に相続権はありません。
内縁によってできた子どもは、内縁の夫が自分の子として認知していれば相続できます。
認知されていない場合でも、認知の裁判を起こし認知が認められれば相続人となります。

借金は放棄し、プラスの財産だけ相続することはできますか?

「これは受け取り、これは放棄する」というような個別の放棄はできません。
単純承認によって借金(マイナスの財産)も含めてすべてを受け取るか、放棄によってプラスの財産もマイナスの財産もすべてを受け取らないかのどちらかになります 遺産がプラスかマイナスか微妙な時には限定承認を選べば相続人は自分の財産からは支払わなくてすみます。限定承認とは相続人が、相続した財産のプラス分を使ってマイナス分(亡くなった人の借金など)を支払い、プラス分が尽きたら支払いもおしまいという方式です。つまり、相続人が、自分の財産を持ち出してまでは、亡くなった人の借金を払わなくてよいことになります。相続放棄・限定承認には申立期限がありますのでご注意ください。

借金に気づいたのが放棄の期限後だともう相続放棄はできないのですか?

やむをえない事情があれば期限をのばしてもらえる場合があります。
まず、相続人が「相続の開始したこと」と「自分が相続人になったこと」を知らない限り、相続の放棄ができる3か月の期限までのカウントダウンは始まりません。 ただし、すでにプラスの財産を相続した場合は相続放棄はできません。

相続人が未成年者の場合、どのような手続きが必要ですか?

一般的には親権者が相続手続きをします。
ただし、未成年者とその親権者が共に相続人である場合は、利益相反となりますので、親権者は未成年者の特別代理人の選任を家庭裁判所に請求しなければなりません。
そして、家庭裁判所から選任された特別代理人が未成年者の相続手続きを行うことになります。なお、未成年者に親権者がいない場合で、遺言で未成年者の後見人が指定されているときは、その後見人が相続手続きを行います。

配偶者居住権とは何ですか?

配偶者居住権とは、残された配偶者が被相続人の死亡時に住んでいた建物を亡くなるまで又は一定の期間、無償で使用することができる権利です。
配偶者居住権は成立要件を満たしていれば権利として発生していますので登記が効力要件ではありません。
それならお金をかけてまで登記する必要ないと思うかもしれませんが、配偶者居住権を登記しないと善意の第三者に対抗することができません。したがって、配偶者居住権を設定した場合には早めに登記をしましょう。

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