遺言執行について

遺言執行とは・・・

相続が始まり遺言の効力が発生した後、遺言書の内容を実行する手続のことです。
その遺言実現行為をすることを「遺言の執行」といいます。

遺言執行者とは・・・

遺言執行に伴う一切の行為をする権限が法律によって与えられている立場の人のことです。遺言の内容の実現に必要な行為を行うため、遺言により指定される、又は家庭裁判所により選任されます。生前の合意など遺言以外の方法で遺言執行者を指定することはできません。未成年者及び、破産者は遺言執行人となることが出来ませんが、それ以外に法律上の制限はありません。

ですが、遺言執行は手続きが複雑で長期間に及び、まれに相続人のひとりが遺言執行者となると他の相続人に不信感が生じてしまう恐れもあります。 ご心配な方は、利害関係のない弁護士、税理士、公認会計士、司法書士、行政書士、信託銀行など、の専門家に任せることをお勧めします。

遺言執行者を指定しておくメリットとは・・・

遺言執行者を選んでおくメリットですが、ずばり「円滑な遺言の実現」です。 例えば、不動産が第三者へ遺贈された場合の登記手続や預貯金の相続手続の中においては、相続人全員の印鑑証明書が必要となりますが、遺言執行者が指定されている場合には遺言執行者の印鑑証明書のみで足ります。(金融機関の取引状況によっては受遺者の印鑑証明書も必要となります。)

また、相続人が複数いる場合や遠方に住んでいる・疎遠となっている相続人がいる場合、預金の名義変更や登記関係の手続でその都度相続人全員の署名や押印が必要になる為、遺言執行者が指定されていないと時間も手間もかかってしまいます。相続税の申告期限は、相続開始を知った日の翌日から10か月ですので、相続に関する各種手続を早く済ませることは非常に重要です。

遺言執行者の仕事

就任通知書作成・
送付・完了の報告

就任通知書を作成し、遺言執行者に就任したことを相続人全員にお知らせします。
また執行業務完了時にも相続人全員にその旨報告します。

相続人および相続財産の調査

亡くなられた方の出生から死亡までの戸籍を取得し、相続人となる人を調査し相続人全員の戸籍を収集します。 相続財産は固定資産の評価証明書および名寄帳の取得、金融機関では残高証明書を取得します。

相続人の廃除または
廃除の取り消し、認知の届出

相続人の相続権を失わせる(廃除)
法律上の夫婦関係にない人との間に生まれた子を自分の子だと認める(認知)

財産目録の作成・通知

「財産目録」(亡くなられた方が所有していた財産のすべてを一覧にまとめたもの。株や土地、現金、預金、定期預金など )を作成および相続人全員に送付します。

不動産や預金口座、株式の名義変更・預金等解約手続き、送金

不動産の相続に伴う名義変更、銀行口座や株式の解約、払い戻し等

遺贈や寄付行為

遺言により遺産者の財産の全部又は一部を無償で第三者に譲与する。
相続人以外の慈善団体のような法人や、個人で運営している方に対して寄付する。

生命保険・傷害疾病定額保険の
保険金受取人の変更

遺言によって生命保険、傷害疾病定額保険の保険金受取人の変更を行うことが出来ます。遺言執行者は遺言の効力を生じた後、受取人の変更を保険者である保険会社に通知します。ただし、保険約款等で保険金受取人の変更についての定めがある場合、注意が必要です。

一般財団法人の設立

一般財団法人とは法律に基づいて設立される財団法人であり、遺言による一般財団法人の設立は、遺言執行者による執行が不可欠な遺言事項です。

遺言による信託

遺言による信託は、遺言の効力の発生によってその効力を生じますが実際に信託を設定するには、受託者による信託の引き受けが必要となります。よって遺言執行者はまず受託者による信託の引き受けを求めます。

弊所が遺言執行者として指定された場合

相続人(通知人)より弊所へ連絡

弊所にて行うこと

就任通知書作成、就任通知書送付

就任通知書を作成し遺言執行者に就任したことを、相続人全員にお知らせします。

戸籍の収集、相続人の確定

遺言者の出生から死亡までの戸籍を収集し、相続人を確定させます。

相続財産調査

相続財産は預貯金や不動産などのプラスの財産以外にも負債などマイナスの財産も含まれます。

財産目録作成・通知

調査でみつかった財産すべて一覧にし相続人全員に送付します。

遺言内容実行

遺言書に記載された内容をもとに、相続の諸手続き、遺贈、遺産分割方法の指定などを行います。
(不動産の所有権移転登記・口座解約なども含まれます)

相続人、受遺者に報告書を送付

遺言執行にかかる報酬額表

報酬額については、こちらをご覧ください。

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